Nexus Player

追記: Fire TVは日本発売が決まった。


これからAppleTV gen4も出るのでSTBは揃えておこう計画。Nexus PlayerはPowerVR シリーズ6を採用しているが、AppleTV gen4のA8よりは一世代古い。そのかわり、デュアルコアと言われているA8に比べて、Atomの4コアなのでCPUが強力になっている。
基本的にソフトバンクショップでしか扱いが無いため、中古をソフマップで購入。一緒についまるも4尾購入。

サマリ

とくに問題なくセットアップを行うことはできた。ただ、気になる点はいくつか有る。

  • セットアップ直後から容赦のないYouTube体験。TV接続かどうかでコンテンツは変化しないようだ。システムグローバルなパレンタルコントロールは無く、Android標準のアプリケーション毎の起動制御しか行えない。
  • サポートページへの正当なリンクが無いhttps://support.google.com/androidtv が正しい。Nexus Playerの公式サイトのリンクはNexusのサポートサイトになっているがNexus Playerは標準のAndroid UIではなくAndroid TVであるため、説明があてはまらない点が多い。
  • USBはmicro-ABでない。毎回やってしまう。。USB機器の使用にはMicroBになっているOTGケーブルが必要。

この手のAndroidバイスでは標準的だが、電源ボタンは存在しない。放置していると勝手にスリープ状態になる。

セットアップ体験


セットアップは簡単で、WPS対応ルータでWi-Fi環境を構築していれば、

  1. 付属リモコンのペアリング
  2. 言語の選択 (日本語は一番下)
  3. WPSの開始 (WPSは一番下)
  4. PINの入力

でアカウント設定も含めて完了する。つまり、on screen keyboardを一切使用する必要がない
PINによるペアリングはデバイス上のon screen keyboardでアカウントをセットアップさせるよりは格段に優れている。この方式はRokuでも採用されている。
(ちなみにソフトバンクのサイトで公開されているPDFでは、全部手入力の手順になっている: http://cdn.ymobile.jp/lineup/nexusplayer/pdf/np_manuarl.pdf )

コンテンツUI

AppleTV gen4と同様に、

  1. "おすすめ" 領域 - 各アプリからのコンテンツインデックスを統合したもの
  2. アプリ領域 & ゲーム領域
  3. その他領域 - Nexus Playerでは"設定"アプリのみ

の3領域構成になっている。

同じAndroid TVといっても、UI的に全てが共通になっているわけではない。NVIDIA Shieldでは(当然)通常のアプリよりもゲームが先に表示される。

YouTubeのおすすめは特にセーフサーチされないようで、TVでは見ないような動画も普通に載る。アプリケーションのおすすめを無効にするには、通知を無効にしなければならない。

YouTubeはシステムアプリ扱いになっているため、"印刷スプーラ"といった本当のシステムアプリをかきわけてYouTubeに辿りつき、通知をOFFにする必要がある(追記: これはAndroid Mでサポートされた)。他のSTBでも同様だが右クリックに相当する動作が存在しないので実際に表示されている"おすすめ"から表示を無効化することはできない。
PlayStationXboxに見られるようなアカウント単位でのパレンタルコントロールは存在しない。というより、ユーザ選択UI自体が無い。基本的にはアプリ単位の独自設定に依存しているようだ。(追記: 制限付きプロフィール機能で、アプリを選択してPINを適用できるようになった。)
AppleTV gen4と異なり、アプリを並べかえることはできない。全体的にAndroid TVはユーザによるコントロールをギリギリまで無くしたデザインになっているように見える。

ハードウェア設定

ビックリするくらい何も設定できない。例えば、

  • セーフエリア調節UI
  • 720p/1080pの手動選択
  • RGBレンジ選択
  • HDCP ON/OFF
  • サラウンドオーディオフォーマット選択

は存在しない。AppleTVにさえセーフエリア確認UIは存在するのに。。(ただし開発者向けオプションに4k優先オプションはある)
これらの選択はおそらくAndroidTVがデバイスバインドの組込みを前提としていることを反映しているように見える。

その他のSTBとの比較

他の2015年発売のプラットフォームと比較してみる:

プラットフォーム Nexus Player Fire TV AppleTV gen4 Roku 3
開発環境(ゲーム) Android Android iOS Marmalade
開発環境(ビデオサービス) 特に無し? Fire TV Web App JavaScript TVML JavaScript BrightScript(VB風の独自スクリプト言語)
GPU GLES 3.1 GLES 3.1または3.0または2.0(stick) GLES 3.0とMetal GLES 2.0
ゲームコントローラ 別売 別売 3rd Party 対応リモコン
ゲームプラットフォーム Play Games Services Amazon GameCircle Game Center 特に無し
モーションコントローラ なし なし 付属 付属
日本リージョン ×

...改めて並べてみるとRoku3が異彩を放つ内容になっているが、モーションコントローラは別にAppleTVの専売ではなく、ネイティブ開発環境としてはMarmaladeが提供されている( http://docs.madewithmarmalade.com/display/MD/Roku+platform+guide )。もっとも、本体ハードウェアとして最も貧弱なのはRoku3であり、3rdパーティのゲームコントローラサポートもない(し、ストアで配布されるゲームサイズも50MiBに制限されている - Roku2やStickであればもっと少い)。
というわけでSTB向けのアプリケーション開発はまだまだ戦国時代と言える。
特に難しいのは、各社ともアカウントバインディングに良いソリューションを提供していない点で、実はこの4プラットフォーム全てにログオンUIが無い点が共通している。PlayStationXboxでは(面倒な)ログオンUIが付いて回るが、ゲームの進捗であるセーブデータや実績を誰にバインドするかという問題を解決するにはログオンUIがどうしても必要になってしまう。昔のスーファミのゲームのように、セーブデータを3面持ち起動時に選択させるのが一番実用的なのかもしれない。。