光デジタルsunsetとNUI sunrise?
追記: Roku4が発表され、Roku4にはなんと光デジタルが追加された
追記: 日本でもFire TVが発表になったが、S/PDIFは見事に無くなった。チップセットがMediaTekに置きかわってからは廃止されたようだ
- 日本版 http://www.amazon.co.jp/dp/B00UH6MXT8 - 日本版は最初からMediaTekなのでS/PDIFが無い
- http://www.amazon.com/dp/B00CX5P8FC/ - 旧Fire TV(Snapdragon)
- http://www.amazon.com/dp/B00U3FPN4U/ - 新Fire TV(MediaTek)
追記: Fire TVのリモートにヘッドホンジャックが付いているのはゲームパッドの方なので訂正。
STB業界の流れとして、現状、
- 光デジタル(S/PDIF)の廃止
- NUIの採用
の2つの大きな流れがある。ゲームコンソールとちがってプレーヤが多いにも関わらず、同じような技術トレンドを踏んでいるのは興味深い。
光デジタルの廃止
光デジタル(S/PDIF)は最後のunprotected media path(暗号的に保護されていないメディア出力パス)であり、廃止は時間の問題となっていたといっても良い。が、特に北米では古いホームシアターシステムで光デジタルしかサポートしていないケースが有り、日本でも廉価なサウンドバー等が光デジタル出力を前提としているという問題がある。
- Xbox360はXbox360 E(2013)で廃止した
- AppleTVはgen1(2007)から光デジタルを装備していたが、gen4(2015)で廃止する
- Nexus Playerを始めとする、AndroidデバイスはS/PDIFを持たないことが多い。Razer Forge TVやNVIDIA Shieldも同様にS/PDIFを持っていない
RokuはS/PDIFを装備したことがない(はず)追記: Roku4には追加された例外: Amazon FireTVはstick以外は常にS/PDIFを装備している。AppleTVとは対照的に2015年のrefreshでも残った。追記: 結局2015 refreshで廃止されたようだ
STBはゲーム機とは異なりDolby/DTSのリアルタイムエンコードを行わず、光デジタルから出力されるのはVODサービスのサラウンド配信ということになる。(実際、これらをサポートしたことが無い任天堂のコンソールは光デジタルを装備したことがない)
実際には光デジタルを廃止したとしても、HDMIを経由してビットストリームオーディオを出力することは継続して可能であるため、特に機能的な変化が有るわけではない。にも関わらず光デジタルは同時に装備され続けてきたことが光デジタルの需要を示している。(光デジタルの無い環境に適応するには、AV Receiver = オーディオアンプをHDMI対応品に置き換える必要がある)
Amazon TVは他のAndroidベースSTBの殆どが光デジタルを備えていないにも関わらず光デジタルを残した。AmazonはFireタブレットでAtmosをサポートする等エンスー向けの高付加価値を志向しているのかもしれない。
直前の事例: アナログビデオ出力の廃止
すこし前にはアナログビデオ出力の廃止が行われている。BDプレーヤであれば、AACSの要求で最近に製造したハードウェアではHD出力がそもそも行えないため、備える意味が薄れている。
- XboxOne / PS4は最初からアナログビデオ出力を一切備えていない。
- Xbox360は発売当初はHDMIを備えていなかったが、それ以外のシリーズはHDMIを備え、XboxOneと同時期に発表されたXbox360 Eでコンポジットのみのサポートとしている
- AppleTVはgen1からHDMIを備えていたが、gen1だけはコンポーネント出力も備えている
近年のVOD用STBは最初からHDMIを前提としたデザインとなっている。これはアナログ全盛期(〜2005)のSTBはそもそもHD出力を処理するだけのチップセットが存在しなかったことの裏返しでもある。
NUI復権
逆に、ビデオゲーム業界ではサンセット気味のNUIに関しては、STBでは復権しつつある。
- RokuはRoku XS(2011)でモーションコントロールを導入し、Roku 3(2015)で音声検索を導入している
- AppleTVはgen4(2015)でモーションコントロールと音声検索を導入する
- Amazon Fire TVは最初(2014)から音声検索を導入している(stick以外)
- Android TVは最初(2015)から音声検索を導入している
ちなみにRoku3とFire TV(2015)はリモコン側にヘッドホンジャックを追加している。
もっとも、ゲーム的にUIとして使用できそうなモーションコントロールは今のところAppleTVくらいしか有力な採用は無く、対抗のAndroid TVやFire TVはゲーム用としてかなりゲームパッドを推しているため、モーションコントロールは事実上AppleTVの世界の話となりそうだ。
確かにAppleTVは"Magic Wand"としてモーションコントロール導入の噂は常に立っていたが、現状のNUIが全く注目されていない状況で突然サポートする理由はよく読み取れない。Rokuも含めモーションコントロールは完全にゲーム用で、そのために専用のストラップまで用意している。
RokuのリモコンはWiiのそれにかなり似ている(A、Bの各ボタンもゲーム専用でナビゲーションに使用されない)。AppleのSiri Remoteはそれよりはボタンが少く、オーディオ出力機能が無い。どちらもWiiとは異なり絶対座標デバイスではなく、加速度センサ(と、ジャイロを含めた6軸センサ)を使用したものとなっている。リキャリブレーションのための標準キーアサインは存在しない。Marmaladeを見る限り、Rokuの場合はゲームからリキャリブレーションを行わせることもできないようだ。
ちなみにカメラを採用しているベンダは皆無となっている。...まぁビデオ通話が必要ならタブレットでやれば良いわけだし。。