Sound Blaster X-Fi Go! Pro R2

非常に複雑なSound Blaster製品群のうち、2ch、24bit、44.1kHz限定、SBX Pro Studio付属のもの。下位機種としては16bitで3Dオーディオに対応しないPlay!が有るが、これは今時SMP環境での動作が保証されないという非常に男らしい仕様。Go!の方は特に書かれていない。
音質はごく普通。その辺の安USBオーディオと比較しても格別に良いわけではない。
44.1kHz限定というのはかなり思い切った仕様だと思う。。初期のAC'97オーディオが48kHz限定でそれも微妙だったけど。

OpenALネイティブ対応

Creativeの高いオーディオアダプタはOpenALにネイティブ対応している。

OpenAL SDKのサンプルを実行してみると、sens_oal.dllによって実装されていることが判る。(Sensauraは過去にCreativeに買収された3Dオーディオの会社で、今でも存在するかどうかは定かでない)
CreativeのOpenALには、OpenGLにおけるICDのようなデバイス固有実装を行うための機構(router)が有り、複数ベンダのOpenAL実装を同時にインストールすることができる。この辺の事情はOpenAL SDKに付属するドキュメント"OpenAL Deployment Guide"に詳しい。
というわけで、OpenALは現状サポートされている唯一の3DオーディオAPIとなっている(ALChemyも使用できるので、DirectSound3Dなゲームを走らせることもできるが。。)。EAX/EFXによるエフェクトも普通に使用できる。

マルチチャンネル出力する方法がわからない

Razer SurroundやXear 3Dと異なり、SBX Pro Studio SurroundはWindowsの高レベルオーディオAPIにマルチチャンネル出力を見せない。このため、DirectSound(やwaveOut API)で多チャンネル出力をサポートするアプリケーションであってもその恩恵を受けることができない。
しかし、マニュアルには:

DVDを鑑賞する

ソフトウェアDVDプレーヤーを使用すれば、コンピュータでもDVDを鑑賞できます。 SBX Pro Studioはオーディオ出力をアップミックスし、ヘッドフォンやステレオスピーカーでも素晴らしいサラウンドサウンドをお楽しみいただけます。 SBX Pro Studioで最高のオーディオを楽しむには、ソフトウェアDVDプレーヤーでマルチチャンネル出力に設定してください。 ソフトウェアDVDプレーヤーの設定に関する詳細は、プレーヤーのマニュアルを参照してください。

と有り、あたかもマルチチャンネル出力をサポートしているかのような記述が有る。実際OpenAL実装は何らかの方法で3Dオーディオを出力しているわけで不可能では無いと思うが。。
ちなみに、SBX Pro Studio SurroundはDolby Pro Logicエンコードされたサラウンド音声を流すとちゃんと3D効果を発揮するように聞こえる(上記の"アップミックス"が、サラウンドデコーダによる2ch=>5.0ch? upmixを指していると考えられる)。この仕様はDolby Home TheaterのSurround Virtualizerも同様なため、PCゲームであってもプロロジックをサポートする意義は多少は有ると言える。
もしかしたら、マルチチャンネル出力がAPOを介して実装されているのかもしれない。普段はWASAPIを排他モードで使用しているので、APOが機能を提供している場合はアクセスできない(MSのblogに良い図解がある - http://blogs.msdn.com/b/windows_multimedia_jp/archive/2010/06/28/4-windows7.aspx )。