逆位相を聞いてみる

正相(LRで同じ波形)のノイズと逆位相(Rの波形だけ反)のノイズを1秒おきに繰り返すプログラムを書いてみた。
何もエフェクトを掛けない状態だと正相と逆相の区別をつけるのは難しいが、SoundEngineの位相チェッカーを使うと:
正相(センターに定位する - ナナメになるのはゲインを真面目に合わせていないため)
逆相(左右になる)
のように一目瞭然となる。
ドルビープロロジック(ドルビーサラウンド)の世界では、サラウンドチャンネルの音声は逆位相になる。つまり、逆相となった部分に関してはサラウンドバックスピーカーから出力されるものだと期待される。
いわゆるバーチャルサラウンドエフェクトはドルビープロロジックに相当するマトリクスデコードを行い、サラウンドバックチャネルを取り出していることが多い。このため、サラウンドエフェクトを有効にしてこの信号を再生すると、正相と逆相で大きく音色が異なる音になる(バックスピーカーの出力は高域の減衰として表現されることが多いため、音量もかわってくる)。
実際に録音してみた。どちらの.wavも、しばらくエフェクト無しで再生したあと、エフェクトを有効にしている。

冒頭部分でも大きく音色が違うように感じられる場合は、再生機器のサラウンドが有効になっている可能性が高い。もっとも、正しい再生機器/再生モードを使用したとしても、正相と逆位相では多少聞こえ方が異なる。
プロロジックデコーダは正相と逆相の切り替わりの時点で大きくゲインが変化している。これは、ステアリングによるものと考えられる。常識的なシチュエーションでは、音源が一瞬で移動することは無いため、ステアリングが正しく行われるまでは多少の時間が掛かる(この挙動はDolby Home Theater 4でも同様だった)。SBX Pro Studioでは、このような変化は観察されない。