Open Sound Controlとの類似性

yuniは任意の(ネットワークプロトコルやファイル形式で用いられるような)構造体とS式の相互変換のためにデザインされた。
これにより、S式の"プログラムから簡単に制御でき、ユーザに表示できるデータ構造"という特徴を生かして、ユーザが気軽にバイナリファイル/ハードウェアとinteractすることが出来ると期待している。
逆に、プロトコル側のアプローチとして"可読な"リストを用いるものにJSONXML(を使った通信プロトコル)が有るが、デバイス方面でよく利用されるものにOpen Sound Controlが有る。

Open Sound Controlは文字列で表現されるターゲットに、任意の(しかし、メッセージ中でフォーマットされる)複数のデータの組を送信することが出来る。
MIDIを知っているのなら、Open Sound Controlは"名前付きの"MIDIだと考えることができる。MIDIは電子楽器や照明など様々な機器のコントロールに利用されている。MIDIは、チャンネルやコントロールという形でメッセージのターゲットは数値で管理していた。対して、Open Sound Controlは"/Fader/xに値100を設定する"という風に、ターゲットは常に名前(または序数)で管理される。
例えば、JazzMutantのlemur( http://www.jazzmutant.com/jp/lemur_overview.php )はMIDIに加えてOpen Sound Controlをサポートしており、Open Sound Controlをサポートした(主にPC上の)他のアプリケーションと連携することが出来る。
JSONXMLと異なり、Open Sound Controlの重要な特徴は、(MIDIがそうであるように)商用のものを含む多くのアプリケーションがそれをサポートしていることにある(see wikipedia)。
世間のセンサデバイスが全てOpen Sound Controlをサポートしてしまうとyuniは不要になってしまう*1。もっとも、Open Sound ControlはMIDIにおけるインプリメンテーションチャートのようなものが規格化されていないので、どのような値を送受信できるのかは人間がマニュアルを読んで判断する必要がある。

*1:先のイベントで、yuniをセンサデバイスを簡単に制御する手法として紹介しているため。