USB3.0

USB 3.0の仕様が公開された。内容はほぼ評判通り。

USB 2.0以前との違い

重要な変更点は電力と通信リンクで、これらについてはそのうちどこかでちゃんとした記述がなされるはず。。それ以外の些末な(しかし興味深い)事項について。

  • 新規格としてのUSB

USB 2.0が従来のLowSpeedデバイスやFullSpeedデバイスの仕様を(USB 1.1とほぼ互換性のある形で)内包していたのに比べ、USB 3.0はSuperSpeedを定義するだけで、過去のデバイス種に関してはUSB 2.0仕様を参照する形となっている。
要するに、USB 2.0のオペレーションとUSB 3.0のオペレーションは完全に分離しており、物理的にも論理的にも別々のバスとして存在することになる。

  • 常識的なシリアルリンクによるUSBエミュレーション

USB 2.0はUSB 1.1での低コスト手法をほぼ踏襲してシリアル通信レートの高速化を図っていたが、USB 3.0ではPCIeのような、リンクレイヤを分離して8b/10bを使う常識的な高速シリアルリンクを採用し、基本的にはUSBのソフトウェアレイヤだけのエミュレーションに留まっている(USB/IPのような、TCP/IPネットワークでのUSBの再現を想像すれば良い)。もっとも明確な差は、USB 2.0が半二重通信で有ったのに比べ、USB 3.0が全二重通信になった点。

  • 有線への言及 / マイクロコネクタの統合

"wired"という言葉が明確に用いられる。無線リンクによるUSBは、現在wireless USBとして別規格として進行しており、将来的に統合されるかどうかは微妙なところ。
従来ECNの形で追加されてきたmicroシリーズコネクタが規格本体に統合された。

ホストに関して、USB 2.0の機能性はオプションとなった。
バイスは、内蔵デバイスに関してはオプション、外付けデバイス、つまりUSBロゴを付与するようなデバイスに関してはUSB 2.0のサポートも必須となっている。また、USBデバイスがUSB 2.0機能とUSB 3.0機能を同時に使用することは認められていない。
ハブに関しては、USB 3.0とUSB 2.0の通信路は完全に独立しているので、両方の機能性を単純に内包することになる。通信速度の変換などは行わない。
USB 2.0と3.0はどちらも同じ外見の(ピン数は異なる)コネクタを利用するが、コネクタの色を変更することが推奨されている。USB 3.0のコネクタ内部は青色が推奨される。