Google Chromeとプラグイン

日記の検索クエリを見ているとどうもGoogle Chromeプラグインの必要なファイルの閲覧に問題を抱えている人が多いようだ。

プラグインで困らないために

Google Chromefirefox(というかNetscapeの)プラグインを使う。つまり、Google Chromeを入れる前にFirefoxを導入し、必要なプラグインや設定をしてからGoogle Chromeに移行するのが良い。ブックマークのUI等もFirefoxに近いので併用することには一定の価値がある。

Google Chromeの良さ

マーケティングに尽きる。通常の人間がブラウザに抱えている不満といえば速度くらいしか無い。他の不満は通常の人間には顕在化出来ない。
高速化した というのは仮に嘘でも十分な効果を上げる。原理的に、PDFやFlashのような外部プラグインを使用するドキュメントの処理が高速化することは無い*1が、JavaScriptさえ高速化すれば世間では高速化したというレビューで溢れることになる。Webブラウザのユーザは、一般的にPDFファイルの耐え難きロード時間に耐えている*2
そういう意味で、JavaScriptのJITCを外注するのはとても費用対効果の良いアプローチだし、AdobeAIRでこれをやるべきだった*3
他の仕事(互換性の確保、独自のメディアビューア、Bittorrent他)は通常の人間にアピールしないという点では相当先まで実装されないだろう。

何故OSと語られるのか

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/03/20746.html
(少なくとも現状のPCにおいては、)OSを開発することほど費用対効果の悪い仕事は無い。GoogleがPC中心にデザインされた企業である限りは、OSを開発したりといったことに無駄金は使わないだろう。
例えばLinux vs BSDのような比較を見れば、全く開発背景の異なるOSであってもパフォーマンスの差は10倍もあったりはしないことがわかる。
それに比べて、インタプリタコンパイラに置き換えるだけで10倍は簡単に速くなるし、モダンなアーキテクチャで並列性を引き出すことも十分に効果がある。
OSの開発は全てを変える魔法では無い。

*1:マルチスレッド化を徹底しており、ロードするファイル数も少ないのでマルチコア環境では意味があるかもしれない

*2:その時間の殆どは無駄な電子署名プラグインなどのロードと、効率の悪いレンダリングであり、ブラウザ側では本質的には改善のしようが無い。しかし、UIの無反応時間を減らすことは十分に可能で、また、従来のブラウザはその努力を怠っていた。

*3:AIRのJSはWebKitそのまま