overlay OS

世間的にp2pよりもみみざわりの良い単語として"オーバーレイネットワーク"という言葉が使われる。下位ネットワークの構造はともかくとして、その上により利用しやすいネットワークを見せてその上でアプリケーションを動作させようというもの。
これをそのままOSに援用して、"オーバーレイOS"というのを考える。
身近ないくつかのシステムは既にオーバーレイOSといえる。つまり :

  • distccのような、ファイルとコマンド名抽象化を利用した分散コンピューティング
  • Xenのように、OS環境を一種のアプリケーションとしてスケジュール可能なハイパーバイザ

distccのような仕組みをオーバーレイOSと考えることには一定の意義がある。より多くのことが潜在的オーバーレイOSとして表現できる可能性を示唆している。
distccはファイル共有の必要性を無くすために、プリプロセスを分散することはしないが、それでもdistccの期待は、本来単一システムイメージでないものを単一システムイメージに見せる十分な概念    要するに、『同名のコマンドに同じデータを与えると出力も同じ』という概念をもつ。
通常のOSにおいて、処理を移送できるということには様々なレベルがある :

  • 違うCPUでも同じ命令を実行すれば結果は同じ
  • 違うOSでも同じシステムコールを実行すれば結果は同じ
  • 違うアプリケーションでも同じファイルを処理すれば結果は同じ

今後はおそらくdistccのようなレベルでも考える必要が有る。