Amazon FireTV(gen2)とfireTVゲームコントローラ

というわけで手元にメジャーどころは全て揃った。

Amazon FireTVはAmazonSTBで、特にこれらの中ではmicroconsoleとしても最も熱心に販促しているデバイスでもある。外箱にはサービスのロゴが掲げられているが、"Amazonビデオ" "ファイナルファンタジー6" "GYAO!" "Amazon Music" "Twitch"と並んでいる。
普通にAmazonで購入。最初接続した時はLEDが黄色というかオレンジ色に点滅するだけで画面が出なかったので初期不良かと思った。Amazonのページから質問のe-mailを出すと直ぐに返事が有り"解決した方はこちらをクリック"のURLをクリックするだけで問合せが完了したのも印象的だった。返信とか書かせないのか。(FireTV stickの方と間違えて買ったのは秘密)

サマリ

FireTVはAppleTVやAndroidTV、また、RokuやXboxPlayStationをよく研究したデザインになっていることは感じるが、全体的な体験という面では特に競合するAndroidTVやAppleTVに一歩遅れを取っているように感じた。
(EDIDを盲信しない)柔軟な解像度設定手段、MicroSDやフルサイズのUSBポートを備え、Dolby Atmosに対応するなど、いわゆるエンスー向けの考察はよく行き届いている。更にASAPのような事前ストリーミングや4K対応等今後標準となりうる機能も盛り込んでいる。これはビデオサービスベンダとしてのAmazonの経験が生きている面と言えるが、機能性を押す方向はFire Phoneのように上手くいかないケースも有る。

UI

UIは左をカテゴリ列、右をコンテンツに使った、密集感のあるものとなっている。これはAppleTVやAndroidTV、PS4のようなフラットにコンテンツの並ぶインターフェースに比べると幾分旧世代的な印象を受ける。Amazon Fireはタブレットも含め基本的にAndroidとの差異を縮める方向に処理しているが、UIはAndroidTVのそれとはかなり異なっている。

... "を押す"って。。他にも、ヘルプから見ることができるビデオガイド等でも微妙な翻訳が散見される。
ポップアップは↑で出ているような画面右上のものと、デバイスインジケータ等で使用される右下のものが両方ある。

例えばゲームコントローラのヘッドホン端子にヘッドホンを挿すと自動的に認識され、このようなポップアップが出現する。このポップアップはゲームコントローラがスリープしたり電池切れした場合でも表示される。
- ...の後には何が来るのだろうか。スクロール等はしない。
標準添付の"音声検索リモコン"はNexus PlayerやAppleTV gen4よりも多くのボタンを備えている。特にNexus Playerのリモコンにはメニューボタンすら無いため、FireTVのリモコンでは使用できるボタンはかなり多い。リモコンのボタンは決定と方向キー以外はゴム製で、あまりゲーム向けのボタンでないとも言える。
オンスクリーンキーボードはABC順のものが表示される。...いわゆる"検索"機能では別のものが出るなどあまり統一感が無い。ボタンガイドは操作しているデバイスに合わせて自動的に更新される。外付けキーボードで操作することもできる。(ちなみに、この後1分ほどハングして再起動した)

UIはかなりバグが多い。ここに貼っているスクリーンショットでもみられるように訳出の問題だけでなく:

  • "再生中"のカバーアートに無関係のアルバムが表示されることがある
  • ヘッドホンの接続中に、UI効果音が急に大音量になることがある - 追記: これはDRCか他のノーマライザが常時適用されているために発生するように見える。実際、niconicoのようなアプリでも急に音量が大きくなる。
  • On Screen Keyboardに表示されるボタンガイドが正しくないことがある
  • ...

また音量調節はゲームコントローラだとL2 と R2に割り当てられているが、一切のフィードバックが無いのでヘッドホンを接続するデバイスとしてはかなり危険な仕様と言える。L2とR2はコントローラを普通に把持するだけで触れるボタンであり、例えばMENU + スティックのような誤操作しづらいキーコンビネーションを当てる方が安全と考えられる。

リモコンとゲームコントローラ

- 見えねぇ
初回起動時からリモコンのアップデートが行われる。ゲームコントローラにもアップデートが有るのは同様。
ゲームコントローラPS4やXboxOneのコントローラのように、コントローラに直接ヘッドホンを接続でき、かつ、PS4のように全ての音声をコントローラに接続したヘッドホンから聴取することができるのが最大の特徴となっている。
ただ、このヘッドホン端子の品質は絶妙で、On/Off時にかなり大きなボツ音がする等ちょっと気になる挙動になっている。ヘッドホンを接続している状況では本体のオーディオはミュートされるようだ。抜き差し時のフェードは正常に実装されている。
FCCを見る限り、リモコンやコントローラはWi-Fi接続であり、恐らくXboxOne同様のWi-Fi Directに見える。


製品ページ等では特に言及されていないが、D-padとRスティックの間にインジケータのLEDが4つ有る。これは通常使用時は消灯となる。コントローラは加速度センサを搭載しているようで、持ち上げると電源が入る
通常のストリーミング視聴用途では気になる程でもないがオーディオのレイテンシがかなり大きく、ゲーム用途にはあまり向かないように感じられた。また、バーチャルサラウンドをサポートしていることになっており、ゲームコントローラの箱にはDOLBYのロゴも有るが、その効果はあまり感じられなかった。

Amazon GameCircle

Amazonはゲーム向けのソーシャル機能としてGame Circleを展開している。同様のソーシャル機能としてはGoogleのPlayやAppleのGame Center、MSのXboxLiveが有り、Game Circleもだいたい似たような機能を備えている。

GameCircle対応のゲームを起動すると、白地のポップアップで"Welcome Back"メッセージが表示される。このメッセージが表示されている間にコントローラのメニューボタンを押すか、ゲーム上に表示される"GameCircle"アイコンを押すと、専用のインポーズが表示される。これはAmazonがシステムとして提供しているもので、他のプラットフォームでも見られる。"Welcome Back"メッセージ自体はAppleのGame Centerにも存在するが、現状ではこのような機能は無い。

このインポーズで獲得した実績を確認できる。... 日本語の訳出は"成果"というかなり画期的なものになっている。ちなみに、未獲得の実績は"ロック済"と表記されている。

ゲーム中に実績を獲得した場合も専用のポップアップで表示される。このゲームの場合は、ゲームも同時に表示しているので2つ表示されている。
ちなみに、前世代のFireTV用ゲームコントローラはGame Circle専用のハードウェアボタンを備えており、それを押すことでもGame Circleのインポーズを表示することができた。ちなみに、このボタンは現世代のFireTV用ゲームコントローラでは廃止されている。

セットアップ

Nexus Player同様、無線LANの設定にはWPSが使用できる。他のFire/Kindle製品同様、アカウントがセットアップされた状態で出荷されるため、PINによるセットアップ等は無いようだ。
同じAndroidを採用していながら、FireTVはNexus Playerよりもずっと多くの設定がある。

  • セーフエリア(スケーリング)


セーフエリアは中央中心の拡大縮小のみが行える。

  • 解像度選択


解像度は720p / 1080pの切り替え。手元に4Kモニタが無いので、まだ4K出力は試していない。
解像度選択は画面を使用しなくてもリモコンのボタンを押し放しにすることで自動的な巡回になるという親切設計(設定画面が表示できないとき用の機能なので、どの画面でも機能する)。ただしファームウェアアップデート中は自動設定に戻る
任意の画面でホームボタンを長押しすることで、端末をスリープさせることができる。

ただし、手元の環境ではこのスリープ中もHDMIは黒画出力となるだけで、リンクが上がりっぱなしになっていた。このような仕様はHDMI切り替え機で問題を起こすかもしれない。
XboxOneやPS4と異なり、リモコンやコントローラの電源を切るための簡単な方法は提供されていない。特に、AppleTVやNexus Playerには有る、"切断"UIも存在しない。このスリープダイアログは、ゲーム時の音量変更UIも兼ねている。

開発者向け設定は特に隠されていない。Amazon FireシリーズはADBをネットワーク経由で行うのが標準となっている。このため、同じネットワークに居る人全員にADBインターフェースが公開されるというシチュエーションとなる。