サラウンド制作のメモ

teslawireは演出にサラウンドを取り入れることを目標にしている。このために10 %近くのCPU能力をオーディオ用にバジェットとして取ることになるのでこれを正当化するのに十分なデータや実験を揃える必要がある。

普及率

普及率のデータはなかなか無い。Steamのハードウェアサーベイ( http://store.steampowered.com/hwsurvey )にもオーディオは無い。

近年のCEAの調査でも、極端な落ち込みは無い。しかし、ホームシアター市場は力強く成長しているとは言い難い状況が続いている。
ヘッドホンでゲームをプレイする割合はそれなりに高いが、今のところ手元に公開されたデータが無い。

バーチャルサラウンド

それなりに普及している。はずだが。。

FezサウンドトラックGlitchのような左右パンが極端な曲だと効果が判るか。後は位相チェック信号( http://d.hatena.ne.jp/mjt/20140524/p1 )。
サラウンドにはLFEチャンネルが付きものだが、あまり活用されていない。良い標準が無い(+10 dBの扱い等)。同様にセンターの活用も微妙と言える。ファントムセンターを運用するケースもある。
CRIのオーディオソリューションは逆相送出(マトリックスサラウンド)として2chソースの4ch化をサポートしている。http://www.cri-mw.co.jp/product/interview/2009/bayonetta/page3.html
Web Audioにも3D pannerは存在するが、ブラウザの実装がどうなっているのかはイマイチ謎。

制作と演出

まとまった演出方法論を読みたいところ。。

ゲーム音響は基本的に物理正確であることは要求されていない。しかし、オブジェクトベースオーディオでは、物理的サイズについては常識的なものを設定する方が有利な事が多い。3Dオーディオミドルウェアの多くが物理スケールを採用し、頭内やインテリア距離等を物理スケールで表現するため。
"チープ"3D表現が効果的なこともある。背後の音にはLPF等。

ユーザ環境

かなり難しい。投資を正当化できない重要な理由のように思える。
PS/XboxはそれによるBlu-Ray視聴環境を整えていれば、そのままサラウンドゲームが遊べる。このため現状最もサラウンドを手軽に体験できるゲーム環境になっていると言える。
PSP/Vitaは何もサポートが無い。モンスターハンター等はプロロジックをサポートしている( http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0602/03/news074.html )。
任天堂3DSSDKでバーチャルサラウンドをサポートしていると言われる( http://d.hatena.ne.jp/mjt/20131223/p1 )ものの、WiiUでどのくらいサラウンドゲームが有るのかは謎。GameCubeや64世代からプロロジックをサポートしているものの、WiiUには光デジタルは無い。Atari JaguarにはQsoundが有ったらしいが。。(歴史は別にする)
国内のゲームベンダで最も積極的に取り組んでいるのはFF14だろう:

でも周囲のFF14プレイヤーでサラウンド環境を整備している人はほとんど居ない気がする。
バーチャルサラウンドは聴覚上の違いがかなりハッキリできてしまう。このため、"バーチャルサラウンドをonにしてお楽しみください"とは口が裂けても言えない状況で、難しい。手元には市販のPC向けバーチャルサラウンドは大分揃えているが、通常の人間にはこれは難しいだろう。
同じことはPS3/PS4のSCEAヘッドセットにも言える。日本では実機が入手できないので(ライセンシだったら買えたりするかもしれないが、ワイヤレスなので電波法の壁が有る)、調整する手段が無い。

考察

teslawireの出力仕様についてはあまり決心が付かない。以下のような仕様で一通りmixを作り、比較するのが良いように思える。

これもベンチマークを計画しないといけない領域と言える。このため、fly overとかHorizontal Rotationのようなテンプレートを調査する必要が有る。