wxWidgetsをやめた理由

実はこっそりnmoshのwxWidgetsのサポートを(0.2.7のリリース前に)撤回しているが、一応それなりに理由がある。

  • 2.9がなかなかstableにならない

イベントループの結合( http://d.hatena.ne.jp/mjt/20120311/p3 )に必要なインターフェースはwxWidgetsの2.9以降にしかないため、wxWidgetsが主要ディストリビューションで利用可能にならないと意味がない。
先に2.9をMacWindowsで使って...という方向性も考えたが、既存ディストリビューション向けのパッケージングの障害になりそうなので却下した。

  • 重要なプラットフォームに対応していない

要するにiOSAndroidに対応できない。

  • 重要なWidgetは結局自作することになる

nmoshとして重要なエディタWidget(グラフエディタとタイムラインエディタ)は、結局OSネイティブのインターフェースに揃えるのを諦めてしまった。
ドロップダウンのようなwidgetはOSネイティブのものを使ったほうが良いように思えるが、"PCの見た目よりWebっぽい操作感"の方が営業戦略的に正しいと判断して、プラットフォーム非依存の見た目を優先することにした。(もっとも、JavaのSWINGやFlashのように、この手のアプローチは殆ど成功していない気がする。)

  • フォームエディタで現実的なアプリケーションを作れない

wxWidgetにはGladeのようなフォームエディタがあるが、データドリブンなアプリケーションには上手くマッチしなかった。