Bluetoothによるネットワーキング の1(接続手法)
基本的にBluetoothで相互に接続するためには、どちらかから接続開始の操作をしなければならない。
通常のデバイスに対する接続(outgoing)とは異なり、PC同士のBluetooth接続では向こうから接続される(incomming)というシチュエーションが発生するため、そのための操作方法を知る必要が有る。
当然、接続は相互的に行われるので、接続操作を開始するのはどちらか片方で良い。端的に言えば、PINを交換するのは1ペアごとに1回ということになる。
接続を行いたい場合、どちらか片方がBluetoothデバイスのふりをする。これはBluetoothスタックでは「発見可能状態」のように呼ばれる。例えばMS標準のスタックであれば、
BluetoothのアイコンをダブルクリックしてこのチェックボックスをONにする。
PANU/GN/NAP
PANサービスには、更にPANU、GN、NAPの区別が存在する。
- PANU
PANまたはPANU(Personal Area Network User)とは1対1の、外部にルーティングされないネットワークのことを指す。
- GN
GN(Group Network)とは、通常の無線LANのように複数のデバイスを接続した、外部にルーティングされないネットワークのことを指す。
MS標準以外のBluetoothスタックでは少なくともGNをサポートしている。
GNでは、1台のノードが一旦パケットを受け取って、妥当なあて先に再送信する動作を行う。このような動作も無線LANのAPのものと同じものといえる。
- NAP
NAP(Network Access Point)とは、通常の無線LANのように複数のデバイスを接続した、外部にルーティングを行うネットワークのことを指す。
GNとNAPの区別の必要性は、ユーザからみて、そのネットワークに接続すれば外部にルーティングされるのかを判別可能にすることだけで、GNであっても(意味を無視して)外部にルーティングしてしまうこと自体は可能となっている。
通常の使用範囲では、誰かがGNサービスを起動し、そのサービスにその他のユーザが接続しにいく形となる。
MS標準スタック(XP/Vista)の場合
MSのスタックはincommingなGNやNAP接続をサポートしていない。要するにMS標準スタックに対する接続は1対1しかサポートしていない。もし3台以上のノードを持つネットワークを作成したいなら、MS以外のスタックを装備したノードが一台は必要になる。
逆に他人の作成したGNやNAPに接続することは出来るし、PANU接続を受け入れることも出来る。
MS標準スタックで、他人の作成したPANU/GN/NAPに接続するためには、Bluetoothアイコンを右クリックして「パーソナルネットワーク接続への参加」を選択する。
Windows XPでPANUを提供する場合、サービス名が「個人用に作成したユーザー サービス」という比較的意味不明なサービス名称が表示される。Vistaでは正常に「Personal Network User Service」となる。