Bluetoothスタックの見分け方

追記

OUTDATED。もう以下の情報は古い。

以前の内容

基本的に、Windows XP以外のOSではBluetoothスタックを見分ける必要が無い。また、PC本体に内蔵されているBluetoothスタックも、基本的には選びようが無いのでなんともいえない。
もしデバイスドライバや取り扱い説明書が事前に入手できるなら、それを観察するのがもっとも確実な手法といえる。
難しいのは、同じデバイスであってもスタックが東芝であったりBluesoleilであったりする点で、

まったく同じように見える製品が、異なるスタックで出荷されているケースが有る。この事実は取扱説明書を事前にチェックすることで知ることが出来るが、製品のパッケージからは判別できないことが多い。

OS付属のスタック

通常のシチュエーションではOS付属のスタックを使用することになる。Windows Vista以降はそれなりのスタックが付属する。
また、Windows 7MacOSLinuxではBluetoothスタックの選択肢は無く、逆にWindows Server系統のWindowsにはBluetoothスタックが一切付属していない。
いくつかのblog等で、Windows VistaBluetoothスタックをWindows Serverで流用する方法を紹介している。Windows Serverそのものにはスタックは含まれないので、何らかの方法でWindows Vistaからプログラムをコピーしてくる必要が有る。

Bluesoleil

先ほどの

がBluesoleilとなる。Bluesoleilは安Bluetoothドングルの中では事実上Broadcomとシェアを2分している。
互換性問題はあまり知られていない。
東芝スタックとBluesoleilはどちらも同じUSB標準のBluetoothバイスを制御できる。ただし、どちらもライセンス認証を行うため、任意のデバイスを制御できるわけではない。Bluesoleilはライセンスを購入することが出来る。

WIDCOMM(現Broadcom)


WIDCOMMは豊富なデバイス(プロファイル)サポートを特徴としている。
ただし、個人的にはWIDCOMMの付属するデバイスは避けたほうが良い様に思う。つまり :

近年BroadcomがWIDCOMMを買収した関係上、BroadcomBluetoothチップを搭載したデバイスやPCにはこのWIDCOMMスタックが付属することが殆どとなっている。
Thinkpadや以降のスクリーンショットにあるようにDELLのラップトップはBroadcomチップセットなのでこのWIDCOMMスタックが付属する。
追記 : WIDCOMMスタックはVista以降でも独自のUIを提供するようだ。

東芝


東芝スタックは評価が著しく分かれる。個人的にはWindowsに統合し過ぎているWIDCOMMよりは良い実装だと考えている。
また、東芝スタックの付属するBluetoothドングルは知る限りすべて合法(技適を受けている)であるため、一種の安心料として考えることも出来る。
互換性に関してはなんともいえない。

Windows XP 付属のスタック


XPに最新のサービスパックが適用されていればXP標準のBluetoothスタックを利用できる。ただし :

  • 対応デバイスが少ない。特に高音質オーディオをサポートしていない。
  • WIDCOMMの付属するドングルは基本的に動作しない
  • ネットワーキングに制限が多い

という点に注意する必要が有る。
Bluetoothドングルに付属のドライバをインストールすることなくBluetoothドングルを接続するとこのスタックがインストールされて利用可能になるため、特に意識しなければこのスタックを使っている可能性が高い。
XP付属のスタックは標準準拠のデバイスしか制御できない。つまり、(ファームウェアを別途必要とする)WIDCOMMスタックの付属する製品を接続しても正常に動作しない点に注意する必要が有る。
MS製品には、Bluetoothスタックが付属しない。このスタックがMSの販売しているBluetoothバイスをサポートするのに十分な機能を提供していることによる。
追記 : Windows Vista以降のBluetoothスタックは、基本的にこのスタックに対してタブやインターフェースを追加する方向性にすることを推奨している。つまり、単純な見た目でスタックを見分けることはあまり簡単ではなくなった。もっとも、Vista以降ではBluetoothスタックの存在を意識しなくなっていくだろう。

選択ガイド(古い)

個人的に推奨するのは、

  • 東芝スタックの付属する製品が最も望ましい。
  • 次点はBluesoleilまたはMS製品。MS製品ではBluetoothでのネットワーキングにそれなりの制限がある。
  • WIDCOMMは推奨できない。

MS製品はスタックが付属していないため、PANによるインターネット接続の共有ができない。
また、通常の手段では『同じスタックを使用する』複数のBluetoothドングルを同時に使用することはできないため、Bluetoothドングルを追加導入する場合には、手元のBluetoothドングルとスタックが異なるものを選択するという方法も取れる。この様なケースでは片方をWIDCOMMにするとうまく行くケースが多い。
ただし、東芝スタックは自前のUSBデバイスドライバを持つため、東芝スタックを持った製品を2つ購入して片方をWindows標準スタックで運用するということも可能となっている(通常の人間には推奨できない)。

東芝スタックとBluesoleilの併用には実績が有るが、この2つのスタックはどちらも同じUSBデバイスをサポートしているため、挿入するポートを変えると東芝スタックになったりBluesoleilになったりWindows標準スタックになったりといった現象が発生する。
また、Bluetooth上のプロトコルのサポートは別途のライセンスとなっていることも有るため、パッケージに記載されている対応プロファイルに注意する必要も有る。